2018年3月8日 徹クイ
ここへきてなぜかクイズづいている日々が続いている。
もちろん本業がクイズ作家ではあるのでクイズ問題を制作することはずっとやっているのだがそういうのではなく、「生(なま)のクイズ」というか、問題を出されて答えたり、問題を出題して答えてもらったり、という状況が増えているのである。
無論若手の頑張っている連中なんかにとってはそんなのは当たり前で、毎週末には日本のどこかで開催されているクイズ大会に足しげく通っているはずだ。
僕も昔は草クイズの大会こそなかったが、同じような頻度ではクイズをやっていた。
しかし僕を含めて同世代の連中はみんな異口同音に「クイズやりたいんだけどねー」とか「早押しやりたいんだけどねー」とは言うが、積極的に何かに参加してクイズをすることはなくなってきている。仕事や家庭の用事が忙しいというのもあるが、やれ面倒だやれ億劫だというのもかなりあったりする。簡単に言えば歳だということだ。
しかしながら、「SODALITE」でクイズのライブをするようになってから、明らかにクイズが僕の生活の時間に戻ってきているのがわかる。
「ビギナー」のコマに来てくれる人の初々しさと、「スタンダード」に来てくれる人の熱が僕の中の何かを動かしてくれているのだ。
その結果、仕事ではないクイズをする頻度が増えてきているのである。
そして今週なんかは珍しく「徹クイ」までもやってしまったのだ!(笑)
あ、「徹クイ」と言っても一般の方はよくわからないかも知れない。なのでちょっとここで紹介してみよう。
「徹クイ」は略さずに言うと「徹夜クイズ」である。ってそんなのはわかってますね(笑)
宵の口にわらわらと誰かの家に集まって、朝まで延々とクイズをやるという狂気の沙汰のことだ(笑) もちろん語源は徹夜で麻雀をやる「徹マン」である。
これを一般的(あくまでもクイズ界的に)にしたのは、我々80年代の大学クイズ研世代だと思われる。証拠も何もないのであくまでも推測ね。
日本各地で同時発生していたのに略称の「徹クイ」が同じだったのは面白かった。ただし関西では最後の「イ」にちょっとだけアクセントが来るのに対して、関東では2音目の「つ」にアクセントが来ていて微妙に違う雰囲気があったのを覚えている。どうでもいいことだけど。
徹クイは間違いなく健康に悪いが(笑)クイズ的にはいいところがかなりある。なかでも有効なのは徹底的に「答える」「押せる」というところだ。
一晩で1人が数百問の「正解」を出すことも可能なのだが、それと同時に数十問も間違えることもできるのである。どちらかというと僕はこっちの方をより大きなメリットとして挙げたい。(だから徹クイでのクイズの誤答の罰則は、軽すぎず重すぎずがいいのだ)
夜中のクイズのいいところは、意識のリミッターが外れることにある。
とりわけ、余計なことを考えての躊躇がだんだんと薄れてくるのがいい。
「間違えたらどうしよう」などという考えが次第になくなっていくから、僕がよく言う「耳と指がつながる」というのが実感できるようになってくるのである。
しかも、昼間だったら「うろ覚えの知識だからやめておこう」が夜中なら「うろ覚えだけど行ってみよう」となるので、正解不正解にかかわらず知識の確定や固定もできる。
さらに、たとえ勘であっても口から出まかせであっても正解が飛び出すことがある。
これは昼間のクイズでもあり得ることだけど、これを適切なポイント押し(意味がわからない方はバックナンバーを読んでください)で出せるのは徹クイならではだ。
そしてそんな自分にとっても「意外な正解」ほど後々まで覚えているもので、昼間のクイズに戻ってもその知識は強力な武器となったりする。
僕は徹クイであっても淡々とクイズをやることが苦手なので(笑)、途中に必ず馬鹿話やネタを挟んで場を爆笑させながらやってしまう。しかしそれであっても徹クイでは問題数はかなりこなせて、正解も多数出せる。
久しぶりにやった今週の徹クイでは「ニューヨークスタイル」(10問先取。解答権は1人だけ。誤答は自分がマイナス)だけを延々やったんだけど、僕は18戦16勝2敗の成績だった。つまり、誤答のリカバーも含めるとざっと200問は正解を出していることになる。中には初めて発した「意外な正解」も10問以上あった。
ここまで遠慮なく押せるのは徹クイを置いて他にはない。早押しの基礎力を整えるにこれほどいいものはない。
学生が麻雀をやる頻度が減ったのは、「4人集めるのが難しい」ということがあるらしい。しかし対戦型ゲームでの麻雀は今も盛況とのこと。つまり、やりたい人を物理的なエリアのどの範囲で探すかだけを解決させればいいということになるわけだ。
これを昨今のクイズに置き換えると、徹クイのメンバーを探すのは難しいけど、スカイプなら大丈夫、ということなのだろう。
スカイプでのクイズは僕は昔に一、二度やった。その時はあまりピンとこなかったけど、最近ではシステムが整理されてよくなっているんだろうなあとは思う。
しかしいいものができたよなー。もしこれが僕らの現役時代にあったら、アホほど利用していたんじゃないかな。(誤解なきように解説すると、この場合の「アホほど」は「アホなヤツほど」ではなく「むちゃくちゃたくさん」という意味だからね。アホをディスってるわけじゃないからね)
当時、すぐにボタンを交わせたのは関西の連中だけ。名古屋や東京のみんなとクイズをやるのはやはり年に数回しかなかったからね。それがスカイプみたいなのがあれば毎晩でもできるわけだから素晴らしい環境だ。鼻血出まくりの僕なんかは絶対にやりまくったと思う。昼はRUQSでバラエティ色の濃いクイズをやって、夜は夜で日本中に散っている同世代の強豪とひたすらハードに押しまくってたんじゃないだろうか。
とはいえ、実際のクイズの勝負はスカイプのような形では行なわれないので、やはり徹クイのように「顔を見合わせて」というスタイルの方がクイズの鍛錬としてはベターではある。
出題者の息遣いや対戦相手の出す空気感なんかを感じ取る訓練もできるからだ。
今回の徹クイでは若手(といっても40代(笑))の家に行ってやったのだけど、本当は同世代でやってみたいと思っている。
しかし学生の麻雀ではないが、休日の昼間に集めるのも難しいのに夜中にメンバーを集めるということなんてハードルが高すぎて絶対に無理。それにそれ以前にみんな朝まで起きてられない(笑)
去年の夏のScarlet Factoryイベントでもちっと言ったけど、チャンスがあれば次かその次かの僕のトーク&クイズライブを2daysにして、間に「徹クイ」をはさんでみたいと思っている。もちろん初日で帰っていただいてもいいんだけど。
徹クイを体験してみたいという方、早押し力が頭打ちになっていて殻を破ってみたい人なんかはぜひ来てください。
なーんて今回は近況で終わってしまった。
ではまた来週の木曜日。

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